最近になってウロコインコのポップがカラカラカラっという野鳥の声を真似し始めた。
イソヒヨドリかムクドリ、または他の鳥なのか真似ている鳥の種類は特定できないが、警戒の声というのは確かなようだ。
それも「逃げろ!」という切羽詰まった合図ではなく、「怪しいから注意しろよ」というくらいのレベルであるのが見てとれる。
ポップがこれをやると、アビアリーの中の他の鳥たちも遊ぶのをやめてあたりに注意を払う。
先日のフリーフライト中にポップがこの声を出したときは、いっしょに桜の枝に止まっていたオキナインコのアグアが少し場所を移動してを空を見始めた。
すると少ししてその方角にある山の上にカラスが数羽現れて騒ぎ始めた。
それ以上のことは私には見えなかったが、ポップは山の中から見下ろす鷹を見たのかも知れない。
この時に思ったこと。
一般にインコやオウムが自然の物音や人の言葉にいたるまでもの真似をするのは、もともと雄が雌の声を真似て気を引くために備わった習性であり、これがうまいほどモテると言われている。
また、他に鳥がいなく1羽だけで人に育てられたという環境においては、自分が人だと思い込むので人の言葉が自分の世界の言語だと思ってしまうという説もあるが、これももっともなことのように思える。
しかしフリーフライト中のアグアとポップの行動を見ると、インコが物まねが得意なのは他の種類の鳥たちの言葉を覚えて協力関係を築き、身の安全を図るためのように見える。
人間でいえば外国語を覚えて異人種と交流し、同盟を結ぶようなものかも知れない。
主な共通の敵は当然猛禽類だろう。繁殖の時期ならカラスや猫も入るかもしれない。
アグアはフリーフライト中に野鳥とやり取りをすることがある。
数十メートル離れた山の野鳥の声が聞こえる方に顔を向けて、一言だけだが大きな声を発する。
相手はヒヨドリが多いと思われるが、何かを伝えている、または返事をしている。
これを鑑みるとインコの雌は雄が上手に自分の声を真似ることを好むのは、延いてはその能力が自分や子供を守ってくれることに繋がることを知っているからではないか。
そして雄は自分の生命力を示すために、象徴的に雌の声を真似て見せているのではないか。