ワカケホンセイインコのフェリーチェ まだクリッピングされていたころ

ペット屋で黄色いワカケホンセイインコを見かけた。
3年近く前、中型インコがほしいと思って見ていた時だった。
全身黄色で首に赤いリング模様が掛かっていて、しっぽがスーっと長く見栄えがして気品のあった。
訊ねてみるとすでに2歳、羽を切られていて、値段も予定の倍以上だった。

ほしかったのは手ごろな値段の雛で、それをこれから羽の成長ととも慣らしていき、いっしょに外に遊びに行けるようにするつもりだった。

気になり始めたが決断できず、2か月かそれ以上の間だったか、何度かそのペット屋に足を運んで眺めたり店員にいろいろ訊ねたりした。

ペット屋のケージにいるフェリーチェ


ある夕方、店員が放鳥タイムにケージを開けるとのろのろと出てきてケージの外側を這い上がり、そのまま左隣にいたオオホンセイインコのケージに上った。
雛の時から羽を切られると、外に出ても歩くことしかしないんだなと思いながら、ちょうど背を向けて他の鳥を見ていると後ろから
「遊ぼっ! ええ子でしょ」 と聞こえた。
えっ、こいつが喋ったのか? と思い振り返って見ていると、ケージの中にいるオオホンセイインコに向かってまた
「遊ぼっ! ええ子でしょ」と言った。
なんとも言えない愛おしい声色だった。

その声をきいて以来、”かっこいいやつ”から、”かわいいやつ”という印象に変わり、ますます気になり始めた。

続く

令和三年元日のアビアリー、フェリーチェが自撮り画面の自分に喋る
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