~大空にインコが舞う~
新しいインコの飼い方
このページでは、
「フリーフライトに憧れる、やってみたい!」
「危険だ、絶対にやめたほうがいい」
という感情論ではなく、データを根拠にインコのフリーフライトを解説しようと思います。
目次
注意
このページの主旨
概要
フリーフライトのメリット (私見を含む)
鳥にとってのメリット
飼い主にとってのメリット
リスク
解説
オウムやインコのフリーフライトは本当に可能なのか?
リスクの検証・対策
-ロスト – なぜ飼われているインコは逃げるのか?
-フリーフライトによる迷いインコのデータ
(以下再編集中)
-猛禽類によるリスクの高さ
-猛禽への対処
-飼い主が責められるリスク
フリーフライト反対の意見には
リスクをどう捉えるか
このページの主旨
注意
私の動画やホームぺージは決して不特定多数のインコの飼い主に向けてフリーフライトを推奨しているものではありません。
フリーフライトにはインコには訓練されたスキルが必要で、飼い主にも知識が必要です。
私自身も他にも鳥を飼ってますが、スキルが満たないと思う鳥は外に出していません。
ここで解説しているのはフリーフライト用の訓練方法ではなく、フリーフライトとはどのようなものなのかという概要とそれが可能であるというデータですので、この解説をもとにトライしないでください。
また、鳥の悲しい事故を防ぐためにあえてお伝えすると、ユーチューブで英語のタイトルで「フリーフライトのための訓練法」のようなものをいくつか見ましたが、単に室内で行うリコールトレーニング(名前を呼び、来たら餌やる)の解説だけで、これができるようになったら外で飛ばせますという内容でした。
これは非常に危険なことで、室内、屋外との違いや、外で起こりうるリスクとその対処法がまったく説明されておらず、これを見て鳥を失くす飼い主がいたら可哀そうだなという印象でした。
フリーフライトのメソッドや注意点を5分や10分の動画で伝えれるとは到底思えません。
屋内で呼べばすぐに来て、よく言うことを聞く鳥でも一歩外へ出たら数秒のうちに見失ってしまう危険性があります。
また私の不用意な一言がきっかけでアクシデントに繋がらないように、このホームページもユーチューブのコメント欄への返信も何度も書き直しながら神経を使っております。
うちの鳥たちの幸せを願うのは当然として、他所で飼われている鳥たちの幸せのヒントにもなればいいと願い、こうしてシェアしていることなので、私の発信が元でどこかの鳥が不幸になるのは本末転倒であり、悲しい限りです。
そんなことが起こらないように切に願っております。
フリーフライトの概要
フリーフライトとは?
鳥を囲いやハーネスなどで飛行範囲や飛行能力に制限を与えずに野外で放すこと。
このページでは、バードショーのように決められた範囲での往復運動だけの飛行は定義に含みません。
フリーフライトのメリット (私見を含む)
鳥にとってのメリット
・ストレス発散、運動と刺激により心身ともに健康的
・新しい知恵、スキルの成長
・不意のアクシデントで迷い鳥になる確率が減る
・より広い世界を飼い主と共有し、絆が深まる
飼い主にとってのメリット
・ストレス発散、運動と刺激により心身ともに健康的
・鳥本来の姿を観察でき、理解が深まる
・鳥と一緒にレジャーを楽しめる
・不意のアクシデントで迷い鳥になる確率が減る
・より広い世界を鳥と共有し、絆が深まる
リスク
・迷ったり、怯えて動けなくなり帰って来れない
・自動車などによる事故
・猫や猛禽に襲われる
※ 野鳥から病気が感染するという意見を読んだことがありますが、データや根拠が示されていなかったので今のところリスクとは認識していません。
解説
インコのフリーフライトは本当に可能なのか?
インコや鳩を外に放していると通りがかりの人たちによく、「すごいですね、逃げないんですか?」、「ちゃんと帰ってくるんですか?」ときかれます。
野外に放たれたインコは誰もで見たことなく、鳩に関しても、レース鳩を何十年飼った経験のある人でも、手に戻ってきたり、いっしょにサイクリングできるのはすごいですねと言ってくれます。
ところで、うちのような田舎では、犬をリードなしで散歩させたり猫を放し飼いにしている家も珍しくありません。
しかし、犬や猫の飼い主に逃げないんですか? と質問する人はいません。
これは一般に、
1.鳥は犬、猫ほど飼い主に懐かない、もしくは執着しないので、飼い主を残してそのままどこかに行ってしまうもの
2.鳥は地形を正確に記憶し、元の場所に戻るほど頭が良くない
という認識だからだと思います。
またそう思われるのも当然で、現にSNSでは「インコが逃げました。見かけたら連絡ください。」「うちの庭にインコが来ています。心当たりの方は・・」という投稿が毎日上がってきます。
SNSを用いて探してない人の数を入れると、その数倍になるのではないでしょうか。
またその数は迷い犬や迷い猫よりも多いと思われます。
しかし野生の鳥を観察すると、1、2ともに思い込みによる誤認だと分かります。
その根拠は、
野鳥は巣を作り、片親が卵を抱き雛を面倒見る間にもう片方が餌を探しに行きます。
種によっては十キロ以上を飛行し、餌が少ない時はその距離も時間も長くなります。
巣でなくとも、だいたいの野鳥は寝場所を決めていて昼間は広範囲に活動し、夜は自分の寝場所に帰ります。
しかしその際、道に迷い自分の巣に帰れない鳥がたくさんいるとは考え難い。
また帰り道は覚えているけど面倒だからパートナーを残してこのままどこかへ行こう、という鳥がいるとも考え難いからです。
大半のインコは群れで行動します。一生の伴侶としてでなくても飼い主を群れの一員と認識すればそのまま忘れるようなことはないと思われます。
ただし飼っているインコたちとフリーフライトを実行するには、鳥に呼ばれてこちらが付いていくのではなく、鳥の方がこちらにくるというリーダー的な存在にならないといけません。
このように鳥の脳は飼い主を忘れたり、地形を覚えれないような幼稚なものではない、またそうでないと生きていけないと言えるデータは十分にあります。
「では必ず帰ってくる保証はあるのか?」
ありません。野外で手元を離れた鳥のリスクを完全にカバーするのは不可能です。
「ではやはりフリーフライトは不可能ということでは?」
となりそうですが、
「犬や猫、外で遊ぶ小学生がいつも無事に帰ってくる保証はあるのでしょうか?」
と聞き返されたらどうでしょう?
ここがポイントで、鳥ということにとらわれると上記の1,2の先入観もあり怖さが先に立ってしまいますが、私は
データに基づいてリスクを検証するとフリーフライトは可能と言えると思います。
犬の飼い方、猫の飼い方も人それぞれですが、フリーフライトはインコの新しい飼い方で、またあまり知られてなかったインコと飼い主の楽しみ方です。
リスクの検証・対策
ロスト – なぜ飼われているインコは逃げるのか?
私は ”逃げる” という言葉をペットに使うのはずっと違和感を感じてきましたが、今あらためて検討してみるとやはり”逃げている”ことには違いないと思い直しました。
”逃げる”という言葉の意味は、怖いものや嫌なもの、または場所などネガティブな要素にに拘束されないように離れる、去るという意味でしょうか?
だとすれば、飼っていたインコが飼い主から ”逃げる” というのはなんとも悲しい響きですね。
”逃げられた” 方の飼い主は、まるで子供がセミやトンボを籠に入れてるように、「ここから出たい、自由にしてくれ!」と逃亡のチャンスを窺うインコをなんとか逃がさないように閉じ込めていたことになるのか? ということになります。
では家の中ではよく甘えて、呼べばすぐに来てくれるようによく懐いたインコが、なぜうっかり閉め忘れた窓の隙間から飛び出して、そのまま逃げてしまうのでしょうか?
外に出たインコはしばらく庭の木に止まっていたけど、いくら呼んでも無視して結局そのままどこかへ飛んで行ってしまったという話もよく聞きます。
いわゆるインコの”ロスト” の理由のほとんどは、単に慣れてない場所に急に出てしまい、冷静な判断ができないからと思われます。
これは野鳥なら巣立ちの際に、親が誘導しながら少しづつ環境に慣らすというプロセスを経ることなく、頼る者もなく未知の世界に投げ出された状態だからです。
人に例えれば、都会でぬくぬくと育ったインドア派の人が、知識も装備もなく急にジャングルに迷い込んでしまい、近くで猛獣の声がしたので無我夢中で走り続けたら、もう自分がどっちから来たのかも分からなくなってしまった、こんな感じだと想像できます。
中には野鳥の声に触発されたり、部屋の放鳥で満足できずに思いっきり飛びたいというようなポジティブな気持ちで飛び立つこともあるかと思いますが、やはり帰れない理由は同じで右も左も分からない場所で遠くに行ってしまい、家が恋しくなってもどうしていいか分からない状態です。
実際のフリーフライトによる迷い鳥のデータ
前述の海外のインコのベテラントレーナーから聞いた話です。
「20年以上のキャリアで大型インコやオウムを中心に数百羽、回数にして数千回のフリーフライトして、ウロコインコも含み10回未満くらいのロストを経験した。
このロストした鳥のうち、二度と会えなかった鳥は1羽だけ、残りはすべて後に自分で捜索して見つけたか、誰かの保護、または情報により戻ってきた。」
補足すると、このウロコインコを含む最初の数回のロストは彼がまだフリーフライトのメソッドを試行錯誤している段階で、その後はロストの確率は大分低くなったそうです。
またこの数の中に単に飛行中に迷ったのではなく、鷹に追われ見失しなったが、生き延びて数時間後に見つかったコンゴウインコも入ります。
もう一つ、私も鳩を含めて経験があることですが、
鳥が見えないところに飛んで行きなかなか帰ってこないときに、ロストしたかどうか判断がつかない時がよくあります。
飼い主は心配して捜索を決行しても、鳥はどこかお気に入りの場所を見つけてくつろいでいただけということもあるので、上のロストの中にはこれも含まれるかも知れません。
それは人間の子供でもたまにはあることですね。
いつ迷子と判断するかは各鳥のスキルとトレーナーの経験から判断するしかありません。
——————-※この項目は現在再編集中です ———————
主旨
以前に中型インコのフリーフライトの情報がほしく、ネットで日本語で検索してもまったくありませんでした。
英語でで検索してもフリーフライトの概要やブログはありましたが、その中に求めているものは含まれていませんでした。
ユーチューブには海外でウロコインコやオカメインコを外で飛ばしている動画が少しありましたが、情報は見つかりませんでした。
私の探していた情報は猛禽類への対処法です。
そのころ私はインコより先に鳩を外で飛ばし始めて、飛ぶ姿を見たりいっしょにサイクリングをしたりして楽しんでいました。
同時期に、もともと外でいっしょに遊びたくて雛のうちから連れてきたオキナインコとウロコインコを、どうすれば信頼関係を築き、また外に出しても迷子にならないスキルを身に付けさせることができるかと、試行錯誤しながら室内でトレーニングを続けていました。
そして、そろそろ大丈夫そうだから外で飛ばそうかと思っていた矢先に、鳩が鷹に襲われ始めました。
この辺はもともと猛禽類が少なかったので気にも留めていなかったことが、その時から鳩にもインコにも最大のリスクとなってしまい、結局そのことでインコのフリーフライトの計画は半年以上頓挫します。
レース鳩の愛好家たちが言うには、今の日本は、猛禽を保護するプログラムによって猛禽が増え過ぎたようです。
その間、図書館で猛禽類の習性を調べたり、レース鳩の飼い主に訊ねたりしても手掛かりがなく、結局海外のインコのフリーフライトのトレーナーの教えを乞うことにしました。
しかし、中型インコに有利な環境を選ぶことはできても、クリアーな解決法は方法はありませんでした。
とはいえ、私の拙い英語で十分苦労もしましたが、この先生からは単にインコを外で放しても帰ってくるようになるという方法論だけでなく、なぜインコがそういう行動をとるかという行動学的な分析など、独学では何年もかかるような多くの興味深いことを学べて大変有意義ではありました。
結局猛禽類対策のテーマは未だに根本的な解決には至りませんが、リスクの大きさや鳥を放す場所の選び方など、実際に辛い思いもした経験後に少しは分かってきたこともあります。
因みに、この解説を書きながら今、試しに”インコのフリーフライト”と日本語で検索したら海外の動画を紹介したブログがいくつか出てきた程度でした。
当時も海外のホームページでも多くは肯定派はメリットを強調、否定派はデメリットを強調し、偏った感はありました。
決して自分が正しいとは思っていませんが、かつての私のようにフリーフライトについて知りたいという方に、日本語で知識と経験をシェアしてみたいと思います。
もともとフリーフライトのテーマに限らず、インコたちがもっと楽しく幸せになるように、各自のインコへの接し方のヒントになればと願ってこのホームページを作りました。
それが叶えば幸いです。
ただし、リスクの対処などは各鳥の性格や行動パターン、飼い主との関係、飼い主の鳥の習性への知識など要素が複雑で、これができたら合格ですというハウツーをここに書き記すのは難しく、また危険です。
よって、「こうすればできます」というノウハウではなく、フリーフライトの概要、メソッドから解説します。
ここで示す私の経験によるデータは主に私の飼うウロコインコとオキナインコのもので、それが個体の性格なのか種による個性なのか判断しずらい部分も多く、また私の鳥たちがその種の中でも例外的な個性を持っている可能性もあります。
私見や憶測などデータに基づかない部分はそのことを読者に明示するつもりですが、言葉足らずであったり検証方法自体が間違いであることも起こり得ると思います。
予め了承の上読んでいただけたら幸いです。
フリーフライトのテーマについては、少数ですが熱烈なリクエストもいただいており、期待に添えるようベストを尽くしたいと思います。
フリーフライト関連ブログのリンク
逃げないように餌で釣る? 中型インコのフリーフライト・メソッド