~青空にインコが舞う~
インコとの新しい生活
神は鳥を愛し、木々を創った
人は鳥を愛し、鳥かごを創った
Jacques Deval
人間が鳥を閉じ込めてからもう千年以上たったでしょうか?
我々は進歩するべきと感じていませんか?
フリーフライトは鳥たちに新しい世界への扉を開きます
人と鳥が自然の中でともに遊び、学んでゆく世界です
「フリーフライトに憧れる、やってみたい!」
「危険だ、絶対にしない方がいい」
このページでは、
このような主観や感情論ではなく、
データに基づいて科学的にインコのフリーフライトを解説します。
告知
愛鳥のフリーフライトを実現したい人へ
インコのフリーフライト・オンラインコース開講 ~詳細ページ
目次
このページについての注意
フリーフライトの概要
フリーフライトとは?
フリーフライトのメリット
・鳥にとってのメリット
・飼い主にとってのメリット
リスク
解説
オウムやインコのフリーフライトは本当に可能なのか?
愛鳥のロストのリスク
・なぜ飼われているインコは逃げるのか?
・実際のフリーフライトによる迷いインコのデータ
猛禽類-鷹・ハヤブサよるリスク(バグ修正中)
・インコのフリーフライトにGPSは使えるか?(バグ修正中)
・猛禽類によるリスクの高さ(バグ修正中)
・自己判断できるインコを育てる(再編集中)
フリーフライト反対の意見には (再編集中)
リスクをどう捉えるか(再編集中)
アグアとポップ/ウロコインコとオキナインコのフリーフライト動画
注意
このホームぺージは、不特定多数のインコやオウムの飼い主に向けてフリーフライトを推奨するものではありません。
またフリーフライトを実行するためのマニュアルではなく、フリーフライトとはどのようなものかを理解するための解説です。
フリーフライトを実現するには、鳥は心身ともに訓練されたスキル、トレーナー(飼い主)には鳥をサポートする知識と判断力が必要です。
私自身も自分の見識には到底満足しておりませんが、少なくともスキルが満たない鳥は外に出していません。
また他人への批判は不本意な上、決して自分こそ正しいと思ってもおりませんが鳥の悲しい事故を防ぐために敢えてお伝えすると、『こうすればフリーフライトができます』というような内容を5分や10分でまとめてあるユーチューブの動画を信用するのは危険です。
また特に東南アジア圏の”一部の人たち”のインコのフリーフライトの動画をよく見ると、単なるうけ狙いでうまくいけば儲けものという感覚でやっているのが分かります。ペットのとらえ方がおおよその私たち日本人とは違うので、ロストしたり鷹に殺されても胸が痛むこともなく、また新しい鳥を買ってくればいいというノリでやっていると思われます。
私が見た英語タイトルの「インコのフリーフライトの訓練法」のようなものは、単に室内で行うリコールトレーニング(名前を呼び、来たらご褒美をやる)の解説だけで、さあ今度は外で飛ばしてみましょうというものでした。
屋内、屋外との違い、外で起こり得るリスクとその対処法がまったく説明されていません。
それは今日やっと広場で自転車に乗れるようになった幼い子どもを、車がビュンビュンと走る道路に一人で出すようなものです。
私の実感では室内のリコール(呼び戻し)とフリーフライトのリコールは、メソッドも鳥の受け止め方も根本的に違います。
何かに驚いて飛び立った鳥は呼んでも帰ってきません。そのまま山を越えて見えなくなるまで飛び続けることもあります。
私自身もこのホームページやユーチューブのコメント欄への返信で、自分の不用意な一言がきっかけでアクシデントに繋がらないように神経を使っており、このページはすでに100回以上手直しをしています。
うちの鳥たちの幸せを願ってあれこれ試行錯誤して得たことが、他所で飼われている鳥たちとその飼い主の幸せのヒントにもなればいいと願いこうしてシェアしています。
もし私の発信が元でどこかの鳥が不幸になるのは本末転倒であり、悲しい限りです。そんなことが起こらないように切に願っております。
また、この項に限らずホームページ内に明らかな間違いや、もっと適切、詳細な情報などがありましたら指摘、助言をいただければ幸いです。
重要な追記: 2021/05/13
海外のインコのフリーフライトコミュニティのメンバーから、ユーチューブ動画に触発されて、自己流のフリーフライトを試みたことによるロストがたくさん発生しているとのコメントがありました。
フリーフライトの概要
重要:
なお、以下のフリーフライトに関する解説の中で、随所で私のウロコインコとオキナインコで実践した分析を示していますが、この2羽は
- 羽をクリッピングされず、室内でも比較的自由に飛んで育った
- 外が見渡せる広めの窓がある部屋や、ベランダのアビアリーでいつも遠くの景色やたくさんの野鳥を身近に見て育った
- 仲が良く、外ではお互いに危機の警告や、ナビゲーション(片方が見えなくなると探しに行くなど)などサポートしあう
という前提があります。
違う環境で育った鳥や種類の違う鳥は、同じ条件が当てはまらないことを考慮してください。
フリーフライトとは?
フリーフライトとは?
このページではフリーフライトの定義を
- 囲いやハーネス(リード)などで飛行範囲や飛行能力に制限を与えずに、インコを外で飛ばすこと
- バードショーのように決められたコースでの往復運動は含まず、インコが自分の意志で自由に飛び、遊び、飼い主のもとへ帰ってくること
とします。
フリーフライトのメリット
フリーフライトのメリット
鳥にとってのメリット
・ストレス発散、運動と刺激により心身ともに健康的
・新しい知恵、スキルの成長
・家から飛び出しても迷子にならない
・より広い世界を飼い主と共有し、絆が深まる
・災害を生き延びるスキルが身に付く
飼い主にとってのメリット
・ストレス発散、運動と刺激により心身ともに健康的
・鳥の自然な姿が観察でき、理解が深まる
・鳥と一緒にレジャーを楽しめる
・家から飛び出しても迷子にならない
・より広い世界を鳥と共有し、絆が深まる
・愛鳥が災害を生き延びるスキルが身に付く
フリーフライトのリスク
主なリスクは2つだけです。
ロスト
- 迷ったり、怯えて動けなくなり帰って来れない→
捕食者
- 猫や犬、猛禽類に襲われる
※ 野鳥から病気が感染するという自称専門家を含むアンチがいますが、データを示せる者は一人もおらず、これまでに20年間、少なくとも延べ数万回のフリーフライトが行われている中で感染症を患ったという報告を私は一例も確認していません。
解説
解説
インコのフリーフライトは本当に可能なのか?
インコや鳩を外に放していると通りがかりの人たちによく、「すごいですね、逃げないんですか?」、「ちゃんと帰ってくるんですか?」ときかれます。
野外に放たれたインコは誰も見たことがなく、鳩に関してもレース鳩を何十年飼った経験のある人でも、手に戻ってきたりいっしょにサイクリングできるのはすごいですね、と言ってくれます。
ところで、うちのような田舎では犬を浜辺でリードなしで散歩させたり猫を放し飼いにしている家も珍しくありません。
しかし犬や猫の飼い主に逃げないんですか? と質問する人はいません。
これは一般に、
- 鳥は犬や猫ほど飼い主に懐かない、もしくは執着しないので飼い主を残してそのままどこかに行ってしまうもの
- 鳥は地形を正確に記憶し元の場所に戻れるほど頭が良くない
という認識だからだと思います。
またそう思われるのも当然で、現にSNSでは毎日「うちのインコが逃げました。見かけたら連絡ください。」「うちの庭に知らないインコが来ています。心当たりの方は連絡ください」という投稿が上がっています。
SNSを用いて探してない人の数を入れると、その数倍になるのではないでしょうか。
またその数は迷い犬や迷い猫よりも多いのも事実と思われます。
しかし野生の鳥を観察すると、1、2ともに私たちの思い込み、または誤認だと分かります。
その根拠は以下のものです。
まず野鳥は巣を作り、片親が卵を抱き雛の面倒を見る間にもう片方が餌を探しに行きます。
その際に、種によっては10キロ以上を飛行し、餌が少ない時はその距離や移動時間はさらに長くなりますが、毎日ちゃん巣に戻ります。
また産卵のための巣でなくとも、多くの野鳥は寝場所を決めており昼間は広範囲を飛び回って活動し夜はその場所に戻って寝ます。
その帰り道に迷い自分の巣に帰れない鳥がたくさんいるとは考え難く、また帰り道は覚えているけど、面倒だからこのままパートナーを残してどこかへ行ってしまおう、という鳥がいるとも考え難いからです。
つまり、鳥はどの方角に向かって飛ぶにせよ、のちに帰るべき場所を意識しているということです。
多くの種類のインコは群れやつがいで行動します。子孫を残すための伴侶としてでなくても、飼い主を群れの一員、仲の良い遊び相手と認識すればそのまま忘れるようなことはないと思われます。
ただし飼っているインコたちとフリーフライトを実行するには、好き勝手に飛ぶ鳥をこちらが追いかけまわすのではなく、鳥の方からこちらに来るという関係を作らなければいけません。
このように鳥の脳は飼い主を忘れたり、地形を覚えられないような幼稚なものではない、またその程度のスキルも持たないものはそもそも野生では生きていけないと言えるデータが十分にあります。
よって、インコが鳥かごから出て外で自由に飛び、遊び帰ってくること=フリーフライトは可能であり、また鳥に不自然なことを強制する行為ではありません。
ただしそれに適応できる環境はその鳥の訓練のレベル、種に由来する習性などによりそれぞれです。
追記: 以下、公益財団法人 日本鳥類保護連盟のホームページからの引用です。
発信機による追跡
相模原市と大和市に生息するワカケホンセイインコは、発信機を装着することで東工大をねぐらにしていることが確認されています。
実に20数キロの距離を毎日通っているのです。東京、神奈川、埼玉に分布する多くの個体も、東工大をねぐらにしていると推測されます。
鳥の持つ記憶力、ナビゲーションスキルは決して幼稚なものではないと分かります。
また(この項のテーマではありませんが)、往復40Kmを毎日移動するという行動範囲は、大半の大型動物でも及ばないのではないかと思われますが、これほどの心身ともに発達した鳥を、1日のうち23時間をケージの中、1時間だけ5メートルほどの部屋の中で放すという飼い方は果たして健康的なのでしょうか?
一生ケージから出れない鳥もいまだたくさんいます。
関連ページ: 正しい鳥の飼い方はあるのか?
「では外に放したインコが必ず帰ってくる保証はあるのか?」
残念ながら答えはノーです。野外で手元を離れた鳥のリスクを完全にカバーするのは不可能です。では、
「やはりフリーフライトは不可能ということでは?」
と言われそうですが、
「ペットの犬や猫がいつも無事に帰ってくる保証はありますか?
外で遊ぶあなたのお子さんが、決して事故にあわないと言い切れますか?」
と聞き返されたらどうでしょう?
フリーフライトを危険行為とみるかどうかはその個人の尺度次第で、そもそも私たちの行う遊びやスポーツ、他あらゆるものにリスクが伴いますが公然と行われており、もし事故が起こっても重大な過失で他人に迷惑をかけたような場合以外は他人から批難されることもありません。
散歩、鬼ごっこ、サイクリング、登山、水泳、ドライブ、スキー、サッカー、これらのアクティビティーでリスクを伴わないものがあるでしょうか。
ちゃんとリードを着けた犬の散歩中にもいくつも交通事故が起こっています。
インコのフリーフライトというと未知なことで、上記の1,2の先入観のために怖さが先立ってしまいます。
しかし可能かと聞かれれば、答えはイエスです。
それは、例えば砂漠から来た人に、
「人が海で泳ぐことは可能ですか?」
と聞かれたなら、
「練習すれば可能です。」
と答えるでしょう。
「絶対に安全ですか?」
と聞き返されれば、
「いえ、物事に絶対はありません。熟練者でも事故の可能性は否定できません。」
と答えるようなものです。
では次にそのリスクがどの程度のものかというデータと、どうやって少しでもリスクを減らすかというメソッドを示します。
リスクの検証・対策
リスクの検証・対策
フリーフライトの大きなリスクは2つしかありません。
インコがどこかに飛んでいき帰って来なくなること(ロスト)と、肉食動物に捕食されることです。
ロスト ~なぜ飼われているインコは逃げるのか?
私は ”逃げる” という言葉をペットに使うのはずっと違和感を感じてきましが、今あらためて検討してみると、やはり”逃げている”ことには違いないと思い直しました。
問題は何から逃げているかです。
”逃げる”という言葉の意味は怖いものや嫌なもの、場所などネガティブな要素に拘束されないように離れる、去るという意味でしょうか?
だとすれば、飼っていたインコが飼い主から ”逃げる” というのはなんとも悲しい響きですね。
まるで子供がセミやトンボを虫籠に入れるように、嫌がって逃亡のチャンスを窺うインコを閉じ込めていたかのようです。
では家の中ではよく甘えて、呼べばすぐに来るようなよく慣れたインコが、なぜうっかり閉め忘れた窓の隙間から飛び出すと、飼い主をかえりみずにそのまま逃げてしまうのでしょうか?
外に出たインコがしばらく庭の木に止まっていたけど、飼い主がいくら呼んでも無視して、結局そのままどこかへ飛んで行ってしまったという話もよく聞きます。
その答え、いわゆるインコの”ロスト” の理由のほとんどは、慣れていない場所に急に出てしまい、冷静な判断ができなくなること、つまりパニックです。
仮に帰るべき家がどこにあるか分かったとしても、見慣れないものや怖いものが立ちはだかっており動けなくなります。
目の前に障害があっても野鳥なら簡単に迂回して進みますが、外で飛ぶ経験のない鳥にとっては知恵においても身体能力においても難題となります。
これは自然界では巣立ちの際に親が誘導しながら少しづつ環境に慣らし、飛行技術を身に付けるはずのプロセスを経ることなく、頼る者もなく未知の世界に投げ出された状態だからです。
人に例えるなら、都会でぬくぬくと育った人が、知識も装備もなくジャングルに置き去りにされ、猛獣の声がしたので無我夢中で走り続けたらもう自分がどっちから来たのかも分からなくなってしまった、こんな感じだと想像できます。
中には野鳥の声や窓の外に見える樹木に刺激されたり、部屋の放鳥で満足できずに外で思いっきり飛びたいというようなポジティブな気持ちで飛び出すこともあるかと思いますが、やはり帰れなくなる理由は同じで、右も左も分からない場所で遠くまで来てしまい、家が恋しくなったころには帰り道が分からないという状態に陥っているからです。
飼われているほとんどのインコは、自分の住む家を外から見たことさえありません。
実際のインコのフリーフライトによるロストのデータ
インコのフリーフライトでリスクを完全に拭い去ることは不可能と前述しましたが、以下はそのリスクのレベルの目安になるデータです。
海外のインコのベテラントレーナーから聞いた話です。
「20年以上のキャリアで大型インコやオウムを中心に数百羽、回数にして数千回のフリーフライトした中で、メキシコインコも含み10回未満くらいのロストを経験した。(5,6回だったか?私の記憶があいまい)
このロストした鳥のうち、二度と会えなかった鳥は1羽だけ、残りはすべて後に自分で捜索して見つけたか、誰かの保護や情報提供により戻ってきた。」
補足すると、このメキシコインコを含む最初の数回のロストは彼がまだフリーフライトのメソッドを試行錯誤している段階で、その後はロストの確率は大分低くなったそうです。
またこの数の中には単に飛行中に迷ったのではなく、鷹に追われ見失しなった後に逃げ延びて数時間後に見つかったコンゴウインコも入ります。
私も鳩の野外放鳥も含めて経験があることですが、鳥が見えないところに飛んで行きなかなか帰ってこないときに、ロストしたかどうかトレーナー(飼い主)の判断がつかない時がよくあります。
トレーナーは心配して捜索を決行しても、鳥はどこかお気に入りの場所を見つけてくつろいでいただけということもあるので、上のロストの中にはこれも含まれるかも知れません。
人間でも、うちの子がいなくなったと大騒ぎしていた最中、近所で遊んでいただけということもよくあります。
いつ迷子と判断するかは各鳥のスキルとトレーナーの経験から判断するしかありません。
参照:関連リンク
(インコの心理・行動パターンに基づいた迷子の捜索方法で、フリーフライトのを行うためにも重要な知識です)
SNS・飼い主が責められるリスク
ところで上記のトレーナー話を聞いていて私が意外に感じ、また失敗もあり得るので慣れてきても慢心しないように自分を戒めようと思ったのは、欧米のフライヤーたちは、自分のインコがもし迷子になっても捜索や近所の人の協力で戻ってくる確率も含めて安全基準としていることです。
その確率は低いと言えど、日本人の感覚とは違いますね。
日本では逃げたのは自分のインコなのに、SNSで「申し訳ありません、本当に私が悪いんです」と不特定多数の他人に謝罪している人や、自分が何の迷惑も受けてないないのに他人の失敗や過ちを責める人が目立ちます。
「あなたのような人にペットを飼う資格はありません」と自分に公的権力があるかのごとく振舞います。
これはまだ品のいい方で、ペットに限らずSNSの激しい誹謗中傷よる痛ましい事件すら起きています。
フリーフライトで何かアクシデントがあれば、「動物の命を・・」と、動物愛護法の番人を自任する者たちに攻撃される可能性があります。
これらは意見交換や啓蒙活動ではなく、人を攻撃する目的や自分の思い通りに他人を従わせようとする者です。
他人に誹謗中傷を行う者の大半は、自分の考えがいち意見に過ぎないことが分からずに皆が自分に従うべきと錯覚し、他人の権利を取り上げたり私刑に処すことが正しい信じています。
こういった論理が通じない者を相手にしてもこちらに得がないというのが私の考えです。
私は苦笑するだけでさして気にもとめませんが、心の優しい人、素直な人、繊細な人が傷ついているのを見るのは本当に忍びない気持ちにさせられます。
残念ながらSNSによる攻撃もフリーフライトの大きなリスクと言わざるを得ません。
ただしこのリスクは鷹や隼と違い、こちらが無視すれば実害はありません。
反対意見でも敬意のあるものには敬意を持って答え、誹謗中傷が目的のものにはエネルギーを使わないことが望ましいと思います。
追記: フリーフライトで失敗があったときに、責められるリスクがあるとこの項で記しましたが、つい先日、何のアクシデントもなく人とインコが楽しく外で遊んでいるSNSの投稿に対し、「私は許しません・・」と攻撃的な言葉でしつこく投稿者を責めるのコメントを見かけました。
恐らく正義感でやっていることなので偽善とは思いませんが、独善であり、小善であることには違いありません。
自分の人生に負になると分かっていることに時間もエネルギーも奪われてはいけません。
その時間をインコと楽しく過ごすことに使いましょう。
フリーフライトのメリット
このページの項目の中で、なぜフリーフライトの”メリットとデメリット”ではなく”メリットとリスク”となっているかと言えば、今のところ”リスクがある”ということ以外に、デメリットが思い浮かばないからです。
愛鳥の命に関わることなので、このサイトでは起こり得るリスクとその対処法に十分にスペースを割いていますが、フリーフライトで得られるメリットもまた書ききれないくらい大きなものです。
鳥の自然な姿が観察でき、理解が深まる
そして惰力が弱くなり、落下し始めるとまた羽ばたきます。
これを繰り返す飛び方を波状飛行とい言います。
この空中で羽を閉じて進む様子は、まるでロケットのようです。
一方オキナインコはそれをしません。
オキナインコは羽ばたいて勢いを付けたら羽の上下運動の間隔を狭め、完全に風に乗ると羽を開いたまま滑翔します。
私は自分のインコたちのフリーフライトを見て、初めてこの飛び方の違いを知りました。
日本では中型インコという分類にまとめられている鳥同士でも、飛び方ひとつをとってもまったく違うという例ですが、インコを何年も飼っていながら自分はインコのことをどれくらい知っているんだろうと不安になります。
これらのことはインコの飼育本やサイトには紹介されていません。
フリーフライトにはインコとトレーナーの双方にスキルが必要ですが、私は、心身ともに野鳥と同等のスキル、プラス飼い主との信頼関係を築けばインコの方のトレーニングはひとまず完成だと思っています。スキルアップは一生続きますが後はインコが独習していけるということです。
フリーフライトの面白さであり難しさでもある点は、インコの野鳥としての生態、本能的な行動を知ることと、ペットとして飼い主との信頼関係を築くことという、二つの異なった分野の知識を組み合わせ応用することです。
現在この二つの分野はほとんどリンクされていません。
主に、生態、本能的な行動を知る目的は、本来インコやオウムがどういう段階を経て巣立ちをして自立し安全を確保して生活しているかを理解して、フリーフライトのトレーニングに応用するためです。要はトレーナーが鳥の世界に入り、親鳥の代行をして安全にサポートすることです。
ペットとして飼い主との信頼関係を築くということは、自然の中に放たれた鳥が、”鳥と人”という本来不自然な関係を保ち、いつも飼い主の手に戻って来るように躾けるためです。
当然ながらペットのトレーナーの示す「鳥の慣らし方」には、他所へ飛んで行ったり鷹に捕食されるリスクなどは前提に入っておらず、一方、科学者による野鳥の研究論文には、それをペットのインコやオウムのフリーフライトにどう活かせば良いかは書かれていません。
話が逸れますが、私は当初”信頼関係”のみを重視して痛い目に会いました。
冒頭でも言っておりますが、リコール(呼び戻し)=フリーフライトと思わないでください。
またリコールができる = 信頼関係ができる、でもありません。
たとえ初日や最初の数回を無事に飛んで帰ってきても、ある日もの音ひとつや、野鳥の一羽に驚いて飛ぶ立つと、数秒で見えなくなり二度と帰って来ない可能性があります。
スキルのない鳥に対しては、鷹やカラスだけでなくヒヨドリやカモメ、燕などあらゆる野鳥が敵となり追い払おうとしてきます。
遠くで犬や猫同士が喧嘩をする声に響いて反射的に飛び立つこともあります。
本題に戻ります。
よほどの豪邸に住まない限り、室内でインコを飼っていても彼らがフルスピードで飛ぶ姿は見れません。
波状飛行に入る前に目の前に壁が来てしまうし、どんな豪邸でも室内では風に乗るということは経験できません。
オキナインコとウロコインコの飛び方が違うことなどは、生態学者やバードウォッチャーが興味を持つだけで、室内でインコを飼う上ではまったく不要な知識なので、恐らくインコのトレーナーは関心もないためペットの本にも出てきません。
鳥をペットとして飼う上で、その鳥の本来の生態が軽視されていることはウィキペディアを見ても分かります。日本でペットとしてポピュラーな種類のインコでも、何羽の群れで生活しているか、昼間は半径何キロをテリトリーとして行動するか、夜はどのような場所で眠るか、一番の天敵は何かなど野生の生態に関してはほとんどが説明がありません。
ユーチューブでも、大きな資本で制作したドキュメンタリーはいくつか見れますが、アジア、中南米、アフリカの現地で野生のインコを個人で撮影したようなものはあまり数がありません。
しかし私は自分のインコが外を自由に飛び、木の中に入って遊ぶ姿を見ると、まるでジャングルやサバンナで野生動物を見るツアーに参加しているような贅沢な気分になり、わくわくします。
バードウォッチャーでも日本でインコが飛ぶ姿は見れません。(関東のワカケホンセイインコなどは例外)
バードショーの鳥たちは決まったルートを直線的に往復するだけで、力いっぱい羽ばたくこともなければ、急カーブや急降下などの技術を使うこともありません。
しかし自分のインコたちとフリーフライトをすると、普段はテレビのドキュメンタリーでしか見れないような、インコの生き生きした様子を目の前で体験し、観察できます。
例えばウロコインコは敵を見たり、不意に聞きなれない音を聞いて警戒した時は、即座に木の葉の影や細かく分かれた枝を探して飛び込みます。
オキナインコはどちらかというと飼い主といっしょにいることで安心感を得る傾向があります。
場所で安全を確保しようとするウロコインコと、飼い主に頼ることで安心するオキナインコの性質の違いは、猫と犬のようだといつも思います。
ウロコインコが飼い主を残して逃げる行動に裏切りのような意味はなく、本来鳥同士の群れで行動する彼らは、いち早く危険を察知した者が仲間に警告し、避難を促すいう当然の行動で、私を犠牲にして逃げているのではなく、本来なら私がそのインコについていかなければならないところです。
「何やってんだ、早くこっちに来い!」
と思ってるくらいでしょうか。
これらの例はほんの一部ですが、自分の鳥たちの新しい発見をしたときは時は感動的です。
なぜ”発見”かというと、鳥が「こうだから、こうするんだよ」と言葉で教えてくれないから、こちらが観察して気づくしかないからです。
自分の鳥を知るという喜びが湧き、幸せを感じさせてくれます。
たとえ理解できない行動でも、少なくともそれには理由がありその先に深遠な世界があるということを感じます。
そして今これを書きながら思うのは、自分の鳥が力いっぱい羽ばたく様子を一生見ることのないという鳥の飼い方への疑問です。
それが世界中で何世紀にもわたり続けられ、今もって疑問視されていません。
飼い主は自分の鳥のことを何パーセント分かっているのでしょうか?
飼い主はそれで良しとしても、鳥として生まれ一度もフルスピードで飛ぶこともなく一生を終える鳥たち、羽を切られて羽ばたくことも忘れた鳥たちは、果たして健康で幸せと言えるのでしょうか?
これは他人への批判ではなく自分がフリーフライトを経験した後に、改めてペットの鳥の境遇を客観視しての思いです。
重複しますが私自身、外に出していない鳥を飼っています。
家から飛び出しても迷子にならない~日常のあらゆるリスクに強い
よく馴れたペットが一歩外に出た瞬間に迷子になってしまう。これは犬や猫ならありえません。
これが鳥に頻繁に起こるのは、もともと鳥がそういう生き物だからではなく、人が鳥をそうなるように育てているからです。
つまり、心身ともに子供の状態から成長させずに飼っているということです。
その解説は後にして、まずデータを一つ示します。
あるサイトに投稿された「迷いインコ=ロスト」の件数を見ると、一日に5件から9件ありました。たった一つのサイトをざっと見ただけです。
【迷いインコの見つけ方】でも書きましたが、他のサイトやツイッター、インスタグラム、フェイスブックに投稿されたもの、そしてこれらに投稿されていない迷子の数を考えると数倍から数十倍に及ぶと想像できます。
最低で見積もっても年間3000羽以上、おそらく1万羽以上のインコが毎年迷子になっていることになります。
恐ろしい数ですね。
それらの「インコが逃げてしまった」理由の大半が、
・うっかり窓を閉め忘れたまま放鳥してしまった
・インコが背中に止まっているのを気づかずにうっかり外へ出てしまった
・放鳥しているところへ、それを知らない家族が帰ってきて玄関を開けた
他、散歩中にハーネスが壊れたなどもありますが、いずれも不意のアクシデントで飛び出してそのまま消えてしまったというケースです。
「インコは明るい方に向かって飛ぶ習性があるから、窓が開いていると必ず外へ飛び出す」という解説があります。
たしかに明暗が分かれている場所では明るい方を好む傾向があるようですが、鳥が一々そのような単純な理由で迷子になる程度の生き物なら、野鳥はとっくに絶滅しています。
例えば窓が開いた瞬間に飛び出すということは、人に例えれば左右を確認せずに交差点に飛び出すのと同じです。
そしてそのまま迷子になってしまうのは、帰るために道を覚える能力のない子供のようなものです。
後の解説で「フリーフライトを可能にするにはインコに野鳥並みのスキルを付けさせること」と書いていますが、フリーフライトのトレーニングを積んだインコは、このような些細な理由で迷子になることはまずありません。
それは状況を判断し対応する余裕があるからです。
つまりインコが迷子になる原因は飛行能力がないことと、初めて体験する外の世界の刺激が強すぎて冷静な判断力を失うことです。
そしてそのことを克服することこそがフリーフライトを可能にする課題です。
それはインコを何年も子供のままにしておかず、自己判断できる自立した大人の鳥に成長させてやるということです。
私は、動物をペットとしてこれ以上のリスペクトを持って接する方法はないと思います。
フリーフライトをマスターするメリットは愛鳥を景色のいい場所に連れて行き、思う存分に飛ばしてやれることだけではありません。
私は部屋の掃除をするときはインコを肩に乗せたまま窓を開け、いっしょにベランダで外を眺めてお茶を飲んだり、家と外のアビアリーを往復したりしています。
「絶対に逃してはいけない」と、放鳥する時や部屋を移す時、病院に連れて行く時など何かする度に付きまとうストレスがなくなります。
冷静に判断し機敏に動けるということは、急に家具が倒れたり上から物が落ちてきたり、野良猫が入ってきた時など、ロスト以外にも日常のあらゆるアクシデントに強くなるということです。
子供から大人に成長させてやる喜び、それに伴って日々の安心感が増すこと。
これだけでも鳥にとっても飼い主にとっても一生のメリットです。
災害を生き延びるスキルを身に付ける
私の世代でも火山や地震、津波や豪雨など避難を余儀なくされる災害が日本でいくつも起こりました。
私は幸いにも避難所生活を強いられたことはありませんが、西日本豪雨ではボランティアで避難所を廻った経験があります。
避難所の外に繋がれた犬を数頭見ましたが、そこに集まった人の数から察するとその犬たちは運がよく、他のたくさんの犬や猫、鳥たちが被災地に残されたことが想像できました。
たくさんの人命が奪われ一刻を争う状況で、ペットとはぐれてしまったり、止むなくそこに残して去るしかなかった人たちの気持ちは察するに余ります。
これを書いている今も、翌々日に大きな台風が中国地方を襲う可能性があると報道されています。
昔はどこかで自分は大丈夫だろうという気がしていましたが、西日本豪雨を経験してからは何かあった時にうちの鳥たちはどうなるのか、どうするべきかと実感を伴って考えることがよくあります。
そう思ったときにやはり希望が持てるのは、外を飛ぶスキルを持ったインコ、アグアとポップ、そして鳩のアメとラグです。
彼らは、たとえ私とはぐれても木の実や草の実を探して生き延びてくれるだろうと思っています。
通常のフリーフライトには必要ありませんが、実際に自然の中で実をつける草や木を探すことを少しは教えています。
もちろん常に敵もおり、季節や天候によっては食糧探しは楽ではありませんが、室内だけで育った鳥がいきなり外に放たれるのと比べると、何倍もサバイバルのスキルが高いのは確かです。
フリーフライト中のインコの心理
フリーフライトをしているインコたちはどのような心境なのでしょうか。
私たちの目には、鳥が大空を舞っているときは気持ちよさそう、木の枝で囀ったり歩き回って遊んでいるときは実に楽しそうに見えます。
しかし注意深く見ていると、楽しさの中にいくらかの不安または緊張を保っているようです。常にそうでなくとも短く断続的に繰り返しているのは確かです。
ウロコインコのポップは枝の上を歩き回りながらよく「チュチッ、チュチッ」と仲間どうして安全を確認する合図と思われる小さな声を断続的に出します。
これは野鳥たちもよくやっています。
オキナインコは私の肩にいるときや地面をつついて遊ぶときも時々頭を持ち上げたり首を傾げたりして空を確認しています。
私たちも時に注意散漫になるように彼らの集中力も断続的なものと思いますが、敵がいるというリスクを意識して行動しているのは確かなようです。
やはり心から安心して朗らかに楽しめるのは、一度も敵に侵入された経験がない自分の部屋の中だけかも知れません。
ポップは部屋の中でさえ常に窓の外を警戒して、ガラス戸が閉まっていても野鳥がこちらに向かって飛んでくると声を発して素早く飛び、死角に隠れます。
ではインコたちは外でフリーフライトを楽しんでいないのかというと、そんなことはありません。
怖がるインコを私が強制的に飛ばしているのではなく、アグアもポップも自発的に飛び立ち、歓喜の声を上げます。
私とうちの鳥たちだけに通じる言葉と言える簡単な口笛のパターンがいくつかあり、フライト中は楽しく興奮しているときの口笛をよく聞かせてくれます。
逆に、外でケージの扉を開けても飛ぼうとしない時もあり、そんなときは私も飛ぶように急かしたりしません。
ユーチューブで「インコのフリーフライト」と題してインコを空に向かって放り投げる人を見かけますが、これはインコとの絆を保つ上でも安全面でも好ましくありません。
では敵が存在するという緊張状態の中で鳥たちは何を楽しく感じているのでしょうか。
私が思うに、ひとつはリスクを意識することにより脳も体も多くのエネルギーを消費すること、もうひとつは障害を乗り越えることで得る達成感や満足感。
つまり鳥として使うべきものをフルに使う運動自体の快感と、そのことで報酬を得るという快感ではないかと思えます。
フリーフライトの反対意見で、「部屋の中で適度に運動をさせれば十分だ」というものをよく見かけます。
しかし室内の放鳥とフリーフライトでは決定的な違いがあります。
それがリスクや障害の有無です。
私たち人間も誰しもが、本気で頭を使った後は肉体労働以上にどっと疲れや空腹を覚えたという経験があると思います。
鳥は室内にいる分には歩く時も飛ぶ時もさしたるリスクはありません。
毎日同じ状況で緊張感もなく、脳を使っての問題解決を必要としません。
外は違います。
例えば今止まっている木から3メートル向こうの木に移るという、僅か数秒間の道のりでも前後左右、上下、数百メートルもしくは数キロ先までを見て、聴いて判断します。
何かが敵になり得ると判断したときは、タイミングを見計らいスマートに動きます。
このように室内の放鳥と野外のフリーフライトでは消費するエネルギー量がまったく異なります。
報酬というのは屋外の場合は飛びたい、あそこに行きたい、あの実を齧りたいという欲求を満たすこと自体です。
私はこれらに加え、もうひとつ体感によって得る報酬があるのではないかと思っています。
——— 就筆中 継続していきます ———
フリーフライト解説の主旨と経緯
ずいぶん前に知り合ったペルー人が、激減してしまったアマゾン地帯の野生のインコの数を再生するためのプロジェクトに関わっていました。
雛を飼育して自然に返すというもので、その彼のフェイスブックにグランドでコンゴウインコを飛ばしている写真が載せてあり、
「なんだ、インコって逃げないのか」
と思ったのを覚えています。
まだ、ユーチューブはなかったか、あっても今ほどポピュラーではなかった頃のことです。
まだ容量の大きい動画を滑らかに配信できない時代で、恐らくインコやオウムを外で飛ばす映像はネットに存在してなかったと思います。
もちろんその頃【フリーフライト】という言葉も知らず、鳥を飼う者の間でもそのような共通概念がなかったと思われます。
この人のように半ば試験的に自分の鳥を外で放して遊ばせる人はいくらでもいた(小学生の友人にもいた)と思いますが、【フリーフライト】という飼い方のスタイルとしては認識されていなかったという意味です。
それから長い時を経て自分も落ち着いて鳥を飼える環境になってからが、ことの始まりです。
中型インコのフリーフライトの情報がほしく、ネットで日本語で検索してもまったくありませんでした。
英語で検索してもフリーフライトの概要やブログはありましたが、その中に求めているものは含まれていませんでした。
ユーチューブには、海外でウロコインコやオカメインコを外で飛ばしている動画が少しありましたが、飛んでいる映像だけでそこに至る情報は見つかりませんでした。
私の探していた情報とは猛禽類への対処法です。
そのころ私はインコより先に鳩を外で飛ばし始めて、飛ぶ姿を見たりいっしょにサイクリングをしたりして楽しんでいました。
同時期に、もともと外でいっしょに遊びたくて雛のうちから連れてきたオキナインコとウロコインコを、どうすれば信頼関係を築き、また外に出しても迷子にならないスキルを身に付けさせることができるかと、試行錯誤しながら室内でトレーニングを続けていました。
通常のトレーニングとは別なアプローチでしたが、手ごたえがありそろそろ大丈夫そうだから外で飛ばそうかと思っていた矢先に鳩が鷹に襲われ始めました。
レース用に鳩を飼う人たちは鳩との関係がクールな人が多いですが、私は鳩もインコ同様にコンパニオンとしてかわいがっていたのでその時のショックは相当なものでした。
今でも失った鳩を恋しく思います。
レース鳩を育てている人たちは、今の日本は猛禽類を保護する法律とプログラムによって鳩レースができないほど鷹や隼が増え過ぎてしまったと言います。
この辺はもともと猛禽類が少なかったので気にも留めていなかったことが、その時から鳩にもインコにも最大のリスクとなってしまい、結局そのことでインコのフリーフライトの計画は長く頓挫します。
その間、図書館で猛禽類の習性を調べたり、レース鳩の飼い主に訊ねたりして対処法を探しましたが手掛かりも得られず、結局海外のインコのフリーフライトのトレーナーの教えを乞うことにしました。
結果は中型インコに有利な条件、環境を選ぶことはできても猛禽類に襲われなくなるような根本的な解決法はないということでした。
因みに彼フリーフライトのトレーニング方法は大型インコ向きと思えたので、うちのインコのそれぞれの性格を考慮して別な方法を取りました。
とはいえ、この先生からは単にインコを外で放しても逃げずに帰ってくるようになるという方法だけでなく、なぜインコがそういう行動をとるのかという心理など、独学では何年もかかるような多くの興味深いことを教えていただきました。私の拙い英語で十分苦労もしましたが、大変有意義でした。
結局猛禽類対策のテーマは未だに根本的な解決には至りませんが、リスクの大きさや鳥を放す環境の選び方など、実際に辛い思いもした後に少しは分かってきたこともあります。
この部分においては、適切な訓練を施されてフリーフライトをするインコは、少なくとも野鳥の巣立ちの際よりも高い生存率を維持できる、経験的に鳩よりも猛禽類に襲われる確率が低い、または環境によってそれを防ぎやすいという実感があります。
そしてまだ、猛禽類がインコを襲う気がなくなるような根本的な方法があるのではないかという望みも捨てず、日々考えています。
因みに今もこの解説を書きながら、試しに”インコのフリーフライト”と日本語で検索しても、海外の動画を紹介したブログがいくつか出てくる程度です。
当時の海外の掲示板なども、多くは肯定派はメリットだけを強調、否定派はリスクだけを強調し偏った感がありました。
私はフリーフライトの肯定派ですが、自分のサイトの構成には最初にリスクの解説の方にページを多くを割き、項目によっては何十回も書き直しエネルギーを使っています。
それは鳥の命に関わることだからです。
論文や書籍、上記のトレーナーから教わった知識も、自分で検証していないことや実感のない言葉の受け売りは一切避けています。
決して自分がいつも正しいとは思っていませんが、かつての私のようにフリーフライトについて知りたいという方に、日本語で知識と経験をシェアしたいと思います。
もともとフリーフライトのテーマに限らず、インコたちがもっと楽しく幸せになるように、各自のインコへの接し方のヒントになればと願ってこのホームページを作りました。
これには単にフリーフライトをするかしないかではなく、インコやオウムの習性、知能、運動能力、本能的な欲求をもっと理解できれば、家の中で飼う場合にも遊び方や環境づくりに応用してもらえるという期待を含みます。
それが叶えば幸いです。
なお、私見や推測などデータに基づかない部分は、そのことを読者に明示して書いているつもりですが、言葉足らずであったり検証方法自体が間違いであることも起こり得ると思います。
予めご了承ください。
私自身に科学全般を基礎から積み上げたバックグラウンドはありません。
すべて鳩とインコのフリーフライトを実現させるためにデータを集め、仮説を立てて試行錯誤してきたことです。
野鳥のこと、特に猛禽類の個々の種の生態などには知識が浅く、ここでは狙われる側からの視点、経験をもとに解説しています。
詳しい方がいらっしゃれば、間違いや見落としの指摘、インコを守るための対策など助言をいただければ幸いです。
この”インコのフリーフライト”のテーマは、少数ですが熱烈なリクエストもいただいており、期待に添えるようベストを尽くしたいと思います。
インコのフリーフライト関連・参照ページ・ブログのリンク
アグアとポップ/ウロコインコとオキナインコのフリーフライト動画
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